10:注釈



デニス・カーニー

 Denis Kearney [1847-1907]
デニス・カーニー  「安い中国人労働力がアメリカ人労働者から職を奪っている」という煽動を行ない、当時の失業者の人気を集めたサンフランシスコ労働組合の書記。
 後に労働組合を離れて企業を起こし、企業人としての名声と富を得たという。
 アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」によれば以下のとおり、
 『デニス・カーニーはサンフランシスコの悪名高いデマ煽動家であり、聴衆は街の空き地 (sandlots) に集まった。この動物の常の習性ではあるが、このプロレタリアのリーダーであった人物も、最終的に彼の法と秩序の敵に買収され、豊かに静かな余生を送り、金はあるが後悔のない死を迎えている。しかし彼は背信を犯す前に、無作法な言葉遣いによる罪の塊ともいうべき条約をカリフォルニアに残した。』
(SANDLOTTER [サンドロッター]の項)


弁髪

弁髪  後頭部の髪を長く伸ばして編み、残りの髪を全部剃った髪型。欧米人は、この髪型を「Pig Tail」=豚の尻尾と呼んだ。
 初期の日本人移民である「若松コロニー」[明治2年(1869年)に、戊辰戦争に敗れた会津の住人がカリフォルニアに移住しようとした]の例では、髷を結った日本人が弁発の中国人と間違われないように苦心したといわれている。