Once Upon a Time - シッポ追いの日々

Once Upon a Time

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殿も姉姫も従者もいなくなり、
領地も明け渡したけれど、
それでも私は姫。
かつて、この地にはグレーの鉢をかぶった白猫の一族がいた。
お館様とふたりの姫、それに衛士がいた。
いまはみんな去ってしまい、二の姫だけが残っている。

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(二の姫異聞)

二の姫は、見ての通り、キツネの面影を持った風貌です。
昔々、このあたりがまだ荒涼たる原野であったころ、二の姫の先祖であり、白猫一族の若者であった白太郎は、同じ原野に住む白小納言という、美しい白狐と恋仲になりました。
当時、この原野を支配していた、白猫一族と白狐一族に、敵対していたのが、黒狸の一族でした。
黒狸一族は、領地を独占しようとして、穏やかに暮らしている領民を襲ったりして、一族の安寧な暮らしを、おびやかし続けていたのです。
その黒狸一族を、白猫一族と白狐一族が、一致協力して追い払い、幸せを取り戻したという、逸話があったのです。
伝説にもなるほどの昔の話なのですが、戦乱の真っただ中で、先頭に立って勇敢に戦ったのが、白猫白太郎と白狐白少納言でした。
戦いが明け、静けさを取り戻してから、白太郎と白少納言は、晴れて結ばれ幸せに暮らしました。
白太郎と白少納言の間に出来た多くの子孫の中でも、特に女狐である白少納言の風貌に似ているのが、今ここにいる二の姫といわれているのです。
先代で、すべてを失いましたが、誇り高い志は、まだ二の姫の胸には脈々と流れています。
二の姫の美くしい白い体を支えている石垣は、無残にも崩れ去ってますが、栄えある先祖が築いた立派な城壁でした。
一匹残されてしまいましたが、白少納言という勇敢な女狐の先祖の血を引いた二の姫には、この石垣の上に立つと、男に負けない勇気が沸々と湧いてくるのです。
高い城跡を背に、壮大な原野を望みながら、いつの日か、再興のために思案する二の姫でありました。

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このページは、fixxが2012年9月14日 07:01に書いたブログ記事です。

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