猫に近づくとき、一番重要なのは間合いだと思う。
近接撮影に持ち込むには、まず相手が態度を決めようと思う距離までそっと近づかなくてはならない。
目、耳、ヒゲ、シッポ、体毛...このどれかが反応したとき、猫はこちらを意識している。
ここで止まらないと、猫の急激な行動を招く。
ゆっくりとお互いを探りながら、体から力を抜くか、次の行動に移るのかを見守る。
大丈夫、ほかの動物に比べれば猫は気短だ。そんなに待つ必要はない。
だけどね、なかには違う子もいるんだ。
たとえば、この凶くん。
可愛い声で呼びながら、どんどん間合いを詰めてくる。
そして間近で立ち止る。
顔を見る、目をあわす。
一瞬、瞳に光が走り、次の瞬間、一気に鋭い猫パンチを繰り出してくる。
初手は浅く、続いて深く。
...凶くん。
きみは間合いの師匠だよ。
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