2011年4月アーカイブ
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今日、お店はお休みです。
なぜだろう。
日暮れ時は寂しくなる。
相手のことがわからない。
優しいヒトだろうか?
岩手県奥州市の及源鋳造さんが作っているフィギュア急須のひとつ、南部鉄の子猫型急須。
内側がホーローでコーティングされているため、お茶が鉄くさくなることはない。
注ぎ口もうまくできていて、使い心地もなかなか。
猫の造形のものはいろいろ見ているけれど、鉄器というのは珍しい。
お湯を注いで暖かみを持つ独特の質感も楽しく、お勧めできる一品。
及源鋳造株式会社 http://www.oigen.co.jp/
「最近、猫をいじめるひとがいるんですよ」
地域猫ボランティアの方から聞いた話だ。
このところ食器がたたき割られていたり、脅された猫が怯えていたりするとのこと。
「何年も続けてきたハウスが壊されたりすると、本当に落ち込むし、哀しい」
周囲の理解を求めながら毎日の世話を続けてきたのに、ある日、見知らぬ誰かが積み上げてきたものを壊していく。
壊すことは何も解決しない。
人影に怯える猫と、哀しい思いが増えるだけだ。
それが嬉しいひとがいるのだろうか。
「何か問題があるなら教えてくださいと書き置きしたんですが、何もメッセージはなくて壊されるだけなんです」
強い言葉や態度が猫たちへの報復に繋がってしまうことを思い、ボランティアの方は静かに語る。
破壊からは、見知らぬひとのしかめっつらと害意ばかりが伝わってくる。
そんなふうに生きて、世の中に不快なものばかり増やしているのではないだろうか。
額のしわを増やしていくより、小さなものと共にあることのほうが、ずっと心休まるような気がするのだけれど。
サビがいたのは、旧街道に狭い生活道路が交差する十字路。
いつも車の行き交う街道を向いて、うずくまっていた。
「うちの子ではないんだけど」
そういいながら、近所のヒトがいじめられないようにと首輪をしてくれていた。
見かけは幸せな飼い猫のよう。
なのに時おり、はっとするような孤独感をにじませていた。
「この子は母猫と一緒にここへやっていたんだけど、すぐに母猫が通りで車に轢かれてね」
それ以来、サビは街道の見える場所で一日の大半を過ごすようになったという。
愛想のない猫だった。
通りかかって、声をかけても、耳の後ろを掻いてやっても、どこか上の空。
じっと街道の方を向いていた。
ある日を境に、サビの姿をみかけなくなった。
前に彼女の来歴を話してくれた婦人に声をかけてみた。
「あの子ね、通りの向こうへ行っちゃったみたい。見ているだけで近寄らなかったのに、渡って行っちゃった」
サビのいない十字路は、前より少し寒くなったようだ。
サビはどこへ行きたかったんだろう。
道を渡って、どこへ行ったんだろう。
カテゴリだけは以前から設定していたのですが、どう作ろうかと考えた揚げ句、テキスト中心でいいのではないかと。
だったら悩むことなかったね。
いつもの場所で、差し伸べられる手。
その暖かみ。
ちょっとくすぐったい感じ。
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