みどりの日の夜、帰宅中に見つけてしまった...。
表通りから一本入った住宅街、狭いアスファルトの路上に横たわる三毛猫。
眠っているようだったが、よくみると血だまりができていた。
どうやら車に轢かれたようだ。
(この記事には、猫の死体に関する描写が含まれます。写真はありませんが、閲覧にはご注意ください)
血の表面に薄く膜が張りはじめているが、四肢はまだ硬直していない。
頭への強い衝撃で死んだようだ。
苦しんだ形跡はない。即死だったらしい。
このあたりで時折みかける三毛猫だ。
毛の汚れ具合からして、飼い猫ではないだろう。
いつも、4〜5匹の猫たちと一緒に行動していたはず。
とにかく、路上ではまずい。
ここに放置したままでは別の車に轢かれてしまう。
といって、手元には小さなポリ袋しかない...。
しかたないので、出血している頭部をポリ袋で包んだ。
夜の住宅街、死骸を抱えて歩くわけにも行かないので、とりあえず路肩に移動。あたりの雑草を摘んで、敷いた上に安置した。
明日来るから、そこで我慢していてくれるかな。ごめんよ。
翌日。
昨夜の場所に行ってみると、敷いた雑草はなく、死骸は2〜3メートル離れた駐車場に移動していた。
早朝、道を清掃した住民がどかしたのだろう。
さすがに時間が経ったせいで、三毛猫の体は硬直している。
このままの姿を晒しておくのは可哀想だ。
しかし、ゴールデンウイークで清掃事務所も休み。
どうしようか?
猫好きの知り合いに電話してみた。
お庭に埋めてあげていいそうだ。
よかった。
夕べ頭を包んだポリ袋を外し、タオルにくるんで持参した袋に入れる。
...と。
物陰から、数匹の猫がじっとこちらを見ていた。
一緒に行動していた猫たち。
...しまった。
この子たちを一晩、死んだ三毛猫と一緒に過ごさせてしまった。
いつもは人なつっこい猫たちが、すっかり怯えた様子だ。
たとえ夜中で、人目が気になったとしても、三毛猫を持ち帰るべきだった。
とんでもない失敗だ...。
重い気分で知人の家を訪ね、花壇の脇に三毛猫を葬った。
でもほら、ここはきれいだからいいだろ?
ヘメロカリスが咲いてるよ。
その夜、また現場に戻った。
いちばん人なつっこかったハチワレが、駐車場の車の影に隠れたまま、しきりにこちらを呼ぶ。
近づくと3メートルほど逃げて、また呼ぶ。
以前のように撫でられには来ない。
そっか、怖い思いをしたね。
でも、車もヒトも怖いんだよ。
それを覚えておくといい。
じゃあ、またね。
優しくしてくれて、
本当にありがとう。
かわって お礼を言いたいです。
ウチのチビッコも以前、車で轢かれてしまい
見ず知らずの優しい人に埋めて頂きました。
道路で、放置って。悲しすぎるもの。
清掃の方たちだと、冷凍庫に入れられてしまって
そこがいっぱいになるまでは 埋葬してもらえない。
だからこそ、知っている所だと 安らぐんじゃないかな。
勝手な想像だけど。
だからこそ、本当にありがとう。
おいらも、夜中にバイクで埋める所をさがしていたのとか・・
おもいだしちゃった。