19時過ぎ、目の前で目撃しました。
2車線の暗い道、通りを駆け抜けようとした子猫が車に轢かれた瞬間です。
車の直前に飛び出した、小さくて素早い子猫、おそらくドライバーは気づきもしなかったでしょう。
不可抗力としかいえませんが、もし、車がもう少し徐行していたら、あるいは私がもう少し早く通りかかっていて、警戒した子猫が道を渡るのをやめていたら…と、どうしても考えてしまいます。
(以下、状況などについてです。写真はありませんが閲覧にはご注意ください)
タイヤに首を折られてしまった子猫は、恐らく一瞬で絶命したはずです。
でも、その体は釣り上げられた魚のように、強い勢いで車道の上を跳ね続けました。
傷ついた脊椎の反応なのでしょうが、その姿ははしゃいで遊びまわっているようにも見えました。
ずいぶん長い時間に感じましたが、実際は1分もなかったのではないでしょうか。
やがて子猫は、手足を硬直させ、伸びをしたような姿で道に横たわり、直後に体から力が抜けて、丸くなりました。
もしかして息があるかも…淡い期待を持って駆け寄り、抱き上げてみましたが、すでに子猫の魂は飛び去った後でした。
亡くなった子猫を道端に放置するのは忍びないので、買い物袋に入れ、ふと見ると舗道に別の子猫と母猫がこちらを見ていました。
「ごめんね、連れていくよ」
母猫はじっとこちらを見つめ、子は路面についた血の跡を嗅ごうとしていました。
水筒の水で路面の血を流し、車道に降りようとしていた別の子猫を手で追って、母猫の元へ行かせました。
子猫を入れた買い物袋を持って、夜の街を移動。
週末は役所が休みだし、夜ではどうしようもありません。
1時間ほど周囲を探した後、幸い夕涼みに出ていた水辺に住む人の許可を得て、子猫を大きな木の根元に葬ることができました。
生後4か月くらいかな、キジトラの男の子。
スコップがないというので、木の枝で地面を掘りました。
小さな穴で入ってしまったので、たぶん掘った時間は20分ほど。
ふとみると、すぐ間近で、ここに住むキジトラが2匹、私の作業を見守っていました。
きみたちとは遠い親戚かもね。
ちゃんと見守ってやってね。
人間の街は危険に満ちています。
ひともまちも、小さな生き物にもう少しだけ気を配って、ちょっとだけ優しくなれれば、こんなことも減るかも知れません…でも、きっと人はそうはなれないのでしょう。
だから、この話はここでおしまいです。
今日、どこかで石を見つけて墓標代わりにしてやろうと思います。
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