早朝の撮影中、普段なら通らない高速道路の側道をふと通ってみる気になった。
と、隅の日陰にうずくまるキジシロ。
いや…うずくまっているのではなく、亡くなっていた。
3歳くらいだろうか、スマートで精悍な印象の雄猫。
首輪はしておらず、耳カットもない。
肉球は硬く、外ネコであることは間違いなさそうだ。
どうやら、高速道路を渡ろうとしてはねられたようだが、とくに目立った外傷はない。
腹ばいに勢いよく落ちて、全身打撲で死んだのだろうか。
出血も、苦しんだ様子もなく、わずかに失禁の跡があるだけだ。
うすく開いた目には登ったばかりの朝日が映り、まるで朝早くに起こされて迷惑そうにしているようにしか見えない。
でも、彼を起こすことはもうできない。
なでてみると、毛は柔らかいが体は既に硬直して冷え切っている。
さて、どうしよう。
1月3日では役所もお休みだ。
さっきから、ジョギングや犬の散歩で通りかかる人達は、気持ち悪そうに避けて通るばかりだが、放置していたらそのうち自転車にでも轢かれかねない。
少し考えて、築山のようになっている緑地帯までキジシロを抱いてよじ登った。
クマザサのグランドカバーに囲まれたここなら、誰も来ないし、キジシロのテリトリーも見渡せるだろう。
季節遅れの石蕗の黄色い花のわきに穴を掘って埋めた。
土をかけるときに改めて見ると、開いていた目は冬の陽の温もりで緩んだのか、やわらかく閉じている。
そうかそうか、眠ったのか。
陽当たりがいい高台で、ゆっくりするといいよ。
じゃ、またね。
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